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このページは、会社設立したい方ののページです。
会社設立は、事業や経営形態などによって、様々なケースを考えて設立されます。
当事務所は一般的なことはもちろん、法務相談・会計業務を扱っていますので、他の事務所よりも、ご依頼者様の立場になってお役に立てれば・・と願っております。
また、「いつでも安心して、ご依頼いただける仕事の環境づくりをしております」ので、状況に応じまして、司法書士、社会保険労務士、その他士業者など、独自のネットワークを介して、総合的に効率よく、仕事を行います。まずはご連絡お待ち申し上げております。
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<1>株式会社の機関について
株式会社には、株主総会や取締役をはじめとして、取締役会、監査役、会計監査人等様々な種類の機関があります。また、新会社法では、会計参与が新たに導入されます。
■株式会社の機関の種類
株式会社で設置される機関の種類としては、次のようなものがあります。 会社は機関設計の最低限の規律を遵守しながら、この中からそれぞれの企業の実態に応じて必要な機関を選択し、組織を構成していくことになります。
| 株 主 総 会: |
株式会社の最高意思決定機関で、取締役・監査役の選・解任など、株式会社の組織・運営・管理などに関する重要事項を決定する機関です。株主総会には、決算期ごとに開催される年1度の定時総会と、必要に応じて随時開催される臨時総会があります。 |
| 取 締 役: |
株式会社の業務執行を行う機関です |
| 取 締 役 会: |
3人以上の取締役によって構成され、代表取締役の選任をはじめ重要な業務について意思決定を行う機関です。 |
| 監 査 役: |
取締役の職務執行や会社の会計を監査する機関です。 |
| 監 査 役 会: |
3人以上の監査役(うち半数以上は社外監査役)で構成され、監査方針の決定や監査報告の作成などを行う機関です。 |
| 委 員 会: |
主に大企業において機動的な経営と実効的な監督を可能にするために設けられた機関で、指名委員会・監査委員会・報酬委員会からなります。 |
| 会計監査人: |
主に大企業において計算書類等の監査を行う機関です。資格は公認会計士または監査法人に限定されています。 |
| 会 計 参 与: |
新会社法で新設された機関で、取締役と共同して計算書類の作成などを行う機関です |
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<2>株式譲渡制限会社とは 「株式譲渡制限会社」とは、すべての株式の譲渡を制限している株式会社のことです。 新会社法では、有限会社制度の廃止により、株式譲渡制限会社であるかどうかが制度設計の新たな基準となってきます。
これまで、有限責任タイプの会社は、公開・大企業を想定した厳格な規制の株式会社と、非公開・中小企業を想定した簡易な規制の有限会社の2つがありましたが、近年、会社類型の選択が硬直化しており、規制が形骸化していると指摘されていました。 新会社法では、このような状況を踏まえて、有限会社制度を廃止して株式会社制度に一本化するとともに、「株式譲渡制限会社」には、株式会社でありながら現行の有限会社に準じた簡易な規制を選択することを許容しています。
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<3>有限会社制度の廃止
有限会社は、非公開・中小企業を想定し、同じ有限責任タイプの株式会社に比べて簡易な規制を選択することができました。前述した機関設計における規制の差の他にも、最低資本金が300万円でよい(株式会社は1,000万円必要)、決算公告を行わなくてよい(株式会社は決算公告を行わなければならない)などの違いがありました。 しかし、実際には、有限会社は株式会社に比べて信用力が劣るという認識から、小規模の企業であっても株式会社の形態を選択するという事態が生じ、実態として有限会社とは差がない株式会社が増加していました。 このような状況を踏まえ、新会社法では、有限会社制度を廃止して株式会社制度に一本化します。さらに、後述する株式譲渡制限会社においては、株式会社でありながら現行の有限会社に準じた簡易な規制を選択することができるようになります
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<4>中小企業にマッチした機関設計
株式譲渡制限会社では、取締役会および監査役の設置が任意になり、取締役を1人のみとすることも可能となります。
これまで、株式会社は有限会社に比べて一律に厳格な機関設計の定めがなされていました。例えば、株式会社には取締役会および監査役の設置義務、取締役3人以上の設置義務などの厳格な定めがあり、柔軟な機関設計は困難となっていました。 新会社法では、株式譲渡制限会社については、最低限の機関設計のみを規定し、その他は企業の発展段階に応じて様々な機関設計の選択ができるようになっています。
■ 新会社法における機関設計のルール 新会社法では、株式会社は次のようなルールに従って、機関設計を行うことになります。
| 株 主 総 会: |
すべての株式会社で必ず設置。 |
| 取 締 役: |
すべての株式会社で最低1人は必要。ただし、取締役会を設置する株式会社では3人以上(取締役会は取締役3人以上で構成するため)[これまでは必ず3人以上必要だった。] |
| 取 締 役 会: |
株式譲渡制限会社では任意設置。それ以外の株式会社では必ず設置。 [これまでは必ず設置しなければならなかった。]
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| 監 査 役: |
株式譲渡制限会社では任意設置。ただし、取締役会を設置する会社では原則設置(G参照)。 [これまでは必ず設置しなければならなかった。] |
| 監 査 役 会: |
大会社(株式譲渡制限会社、委員会設置会社を除く)では必ず設置。取締役会を設置しない場合には、設置できない。 |
| 委 員 会: |
監査役を設置する会社では、設置できない。会計監査人を設置しない場合には、設置できない。 |
| 会計監査人: |
大会社では必ず設置。大会社以外の会社では任意設置。 [これまでは、資本金が1億円以下かつ負債総額が200億円未満の場合、設置できなかった。]
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| 会 計 参 与: |
すべての株式会社で任意設置。大会社以外の株式譲渡制限会社が取締役会を設置する場合、会計参与を設置することで監査役に代えることができる。
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(注)大会社:資本金が5億円以上または負債総額が200億円以上の株式会社
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<5>取締役会を設置しない会社の株主総会
取締役会を設置しない会社では、株主総会の決議事項が拡大されるとともに、招集手続が簡素化されます。
これまで、株式会社には取締役会を必ず設置することとなっていたため、株主総会の権限は一定に制限され、招集手続も厳格なものとなっていました。 新会社法では、株式譲渡制限会社で取締役会を設置しない会社については、株主総会の決議事項が拡大され、運営方法についても簡素化されます。
■株主総会の権限の拡大・招集手続の簡素化
株式譲渡制限会社では、取締役会を設置しない機関設計も可能になります。 取締役会を設置しない株式会社では、これまで取締役会で決定していた事項について、株主総会で決議することが可能になります。このため、次のように株主総会の決議事項が拡大されるとともに、その招集手続が簡素化されます。
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取締役会なし |
取締役会あり |
| 株主総会の決議事項 |
株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項 |
法律に規定する事項および定款で定めた事項 |
| 招集通知 |
1週間前(定款でさらに短縮可)までに発出 |
2週間前までに発出 |
| 口頭でも可能 |
書面または電磁的方法による通知 |
| 会議の目的事項の記載・記録が不要 |
会議の目的事項の記載・記録が必要 |
*上記の結果、取締役会を設置しない株式会社では、株主総会の運営がしやすくなります
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<6>取締役・監査役の任期
株式会社の取締役の任期は原則として2年、監査役は原則として4年となりますが、株式譲渡制限会社では、定款でそれぞれ10年まで伸ばすことができます。
これまで株式会社の取締役の任期は2年、監査役の任期は4年とされていましたが、役員の改選を定期的に行う必要性が低い株式会社においては、役員の再任に伴う登記に関するコストが負担になっていると指摘されていました。 新会社法では、株式譲渡制限会社において、取締役・監査役の任期を定款の定めにより最大10年まで延長することができるようになります。
■ 有限会社が株式譲渡制限会社に移行する際の注意点
有限会社は、これまで取締役・監査役の任期の定めがありませんでした。既存の有限会社が新会社法の施行後に株式譲渡制限会社に移行する場合、原則として従来どおりの運営が可能ですが、取締役・監査役の任期については通常の株式会社と同様の制限が発生するため、注意が必要です。
* 取締役・監査役の任期延長により、手続費用の削減が可能になります。
「取締役の任期規制は不要」という回答の主な理由(参考)
* 取締役の変動が少ないにもかかわらず再任の登記の必要があり、手続・費用が負担となっている *
株主と取締役が事実上一致しており、定期的に信任を問う必要はない
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<7>取締役等の責任
取締役の会社に対する責任は、原則として過失責任となります。 また、一定の場合に、役員の損害賠償額を制限することもできます。
取締役等の会社役員が会社や第三者に損害を与えた場合、損害賠償等の責任を負うことになります。 新会社法では、取締役の会社に対する責任が原則「過失」(不注意ミス)があった場合の責任となります。また、一定の条件を満たす場合には、株主総会の決議により役員の損害賠償額を制限することもできます。
善意と悪意、無過失と過失と重過失
役員が責任を負うかどうかは、「善意か悪意か」、「無過失か過失か(重過失か)」という2つの条件によって決まります。これらの法律用語は、通常とは別の意味で次のように使われています。
善意と悪意
「善意」・・・知らなかったこと/「悪意」・・・知っていたこと
無過失と過失と重過失
「無過失」・・・不注意ミスがなかったこと/「過失」・・・不注意ミスがあったこと/
「重過失」・・・重大な不注意ミスがあったこと 例えば、「無過失責任」と「過失責任」を比べた場合、不注意ミスがなくても責任を負う「無過失 責任」の方が、不注意ミスがあった場合に責任を負う「過失責任」より、責任が重いことになります。
■ 取締役の会社に対する責任 取締役は、次のような行
為により会社に損害を与えた場合、他の役員等と連帯して損害賠償等の責任を負うこととされています。 違 法 配 当 :
分配可能額を超えて剰余金の配当を行うような場合。 利 益 供 与 : 株主の権利行使に関して、株主に対し金銭その他の財産を供与するような場合。
利益相反取引 : 取締役と会社の利益が相反する取引を行うような場合(原則取締役会決議必要)。 法令・定款違反 :
法令や定款に違反するような行為を行うような場合。
* 「不注意ミスがない(無過失)」ことの証明は、取締役が行う必要があります。
* 自ら利益供与や自己のための利益相反取引を行った取締役は、無過失責任となります。
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<8>役員の責任の制限
取締役等の会社役員が会社に損害を与えた場合、損害賠償等の責任が生じますが、次のような場合には責任を制限することができます。
賠償責任の全部免除
: 総株主の同意がある場合、原則として会社に対する賠償責任は免除されます。 賠償責任額の制限
: 法令・定款に違反した役員が、善意で重過失がない場合、株主総会の特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の2/3以上の賛成)により、賠償責任額を通常次の範囲に制限することができます。
代 表 取 締 役 : 報酬等の6年分 代表取締役以外の取締役 : 報酬等の4年分 社外取締役、会計参与、監査役、会計監査人 : 報酬等の2年分
■ 責任限定契約
社外取締役、会計参与、社外監査役、会計監査人が、善意で重過失がない場合、定款に定めた額の範囲内であらかじめ定めた額と、上記の金額のどちらか高い方を限度として賠償責任を負う旨を、あらかじめ契約(責任限定契約)で定めることができます(株主総会の特別決議が不要となります。ただし、社外者以外の取締役・監査役には適用されません)。
■ 第三者に対する責任
会社に対する責任以外に、取締役等の会社役員が第三者に損害を与え、悪意または重過失があった場合には、当該第三者に対しても損害賠償等の責任を負うことになります。 第三者に対する責任については、責任の免除、制限の規定はありません。
* 取締役の会社に対する責任は、原則「過失責任」。 * 役員の責任は、一定条件を満たせば制限が可能。
■ 株主代表訴訟制度とは
株主代表訴訟とは、取締役等が会社に対して損害を与えた場合、株主が会社に代わって(会社を代表して)責任を追及する制度です。本来であれば、これらの責任は会社が追及すべきものですが、会社と取締役等が密接な関係にあり、十分な責任追及がなされないことも想定されるため、このような制度が設けられています。
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<9>取締役会の書面決議
定款に定めれば、実際に会議を開かずに、書面上で決議すること(いわゆる「書面決議」)が認められるようになります。
これまで、取締役会は直接意見交換して意思決定する必要があるとの考えから、会議を省略することはできませんでした。 新会社法では、機動的な会社経営の実現を図るニーズの高まりを受け、書面上での決議(いわゆる「書面決議」)が認められます。
■ 決議の条件
取締役会の決議の目的である事項について、取締役の全員が持ち回りの文書または電子メールなどによってその内容に同意をし、かつ、監査役(業務監査権限を有する監査役がいる場合)が異議を述べない場合には、決議が成立します。
すべての取締役会をいわゆる書面決議でできるわけではなく、代表取締役等が3ヶ月に1回以上行わなければならない取締役会への業務執行状況の報告については、実際に取締役会を開催する必要があります。
* 取締役会を書面決議で行うことで、遠方の取締役の移動コストなどの削減が可能となる
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<10>譲渡制限株式の発行
すべての株式でなく、一部の株式について譲渡制限することができるなど、柔軟な制度設計が可能となります。
これまで、会社が複数の種類の株式を発行している場合に、一部の種類の株式にのみ譲渡制限を付けることはできませんでした。 新会社法では、一部の種類の株式についても譲渡を制限できるようになるなど、譲渡制限株式制度がより柔軟に使いやすくなります。
■ 譲渡制限の定め方
譲渡制限株式とは、その株式を譲渡しようとする場合には会社の承認を必要とすることを定款で定めた株式のことです。譲渡を承認する機関は、原則として、取締役会を設置しない株式会社では株主総会が、取締役会を設置する株式会社では取締役会が務めることになります。 株式の譲渡制限については、定款で次の事項を定めることが認められるなど、柔軟な制度設計が可能となっています。
●すべての株式でなく、一部の種類株式について譲渡を制限すること。 ●株主間の譲渡について、承認を要しないこと。
●特定の属性を有する者(従業員等)に対する譲渡については、承認を要しないこと。
●譲渡を承認しない場合において先買権者をあらかじめ指定しておくこと。
●取締役会を設置する会社において、承認機関を株主総会とすること。
注)一部の株式についてのみ譲渡制限を行っている場合には、株式譲渡制限会社にはなりません。
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この制度により、議決権のある株式にのみ譲渡制限を行い、議決権制限株式には譲渡制限を行わないなどの制度設計も可能になります。
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<11>自己株式の機動的な取得
自己株式の取得の決議が定時株主総会に限定されず、臨時株主総会でも可能となります。 また、譲渡人を指定しない方法も新設されます。
これまで、株式が市場取引されていない会社が自社の株式を自ら取得する場合(自己株式の取得。「金庫株」とも言われる)、あらかじめ必要事項を年1度の定時株主総会において決議しておくことが必要とされていたため、自己株式の機動的な取得を行う上での支障となっていました。 新会社法では、自己株式取得の決議が臨時株主総会でも可能となり、譲渡人(会社に株式を売却する相手)を指定しない方法も新設されるなど、自己株式の取得方法が多様化されます。
■ あらかじめ指定した譲渡人からの自己株式の取得 (相対取引) これまで、株式が市場取引されていない会社の自己株式取得の手段は、あらかじめ会社に株式を売却する「譲渡人」を指定し、その譲渡人から直接株式を取得する「相対取引」という方法に限られていました。 相対取引で自己株式を取得する場合は、株主総会の特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の2/3以上の賛成)において、次の事項を定めて取締役(取締役会設置会社においては取締役会)に授権することが必要となります。 ●取得する株式の数(種類株式発行会社では、株式の種類および種類ごとの数)。
●株式と引き替えに交付する金銭等の内容と総額。 ●株式を取得することができる期間。
●譲渡人となる株主(譲渡人以外の株主は、自己を譲渡人に加えることを請求できる)。
※取締役(取締役会)への授権決議は、これまでは年1度の定時株主総会で行う必要がありましたが、新会社法では、いつでも開催できる臨時株主総会でも授権決議が可能となるため、自己株式の機動的な取得が可能となります。
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<12>譲渡人を指定しない方法による自己株式の取得
新会社法では、あらかじめ譲渡人を指定せずに会社が自己株式を取得できる方法が新設されます。この方法による場合、株主総会で決議して取締役(取締役会設置会社では取締役会)に授権する事項は次のとおりです。
●取得する株式の数(種類株式発行会社では、株式の種類および種類ごとの数)。
●株式と引き替えに交付する金銭等の内容と総額。 ●株式を取得することができる期間。
取締役(取締役会)への授権決議は、定時株主総会だけでなく臨時株主総会でも行うことができます。また、特別決議が必要となる相対取引の場合と違い、あらかじめ譲渡人を指定しない方法による場合の株主総会決議は、普通決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の過半数の賛成)で足りることになります。 授権決議後は、会社は取締役(取締役会)の決議を経て全株主に対して1株当たりの取得価格などの買受条件を通知し、これに応じた株主から自己株式を取得することができるようになります。
■ 財源規制に注意
自己株式の取得は、株主に金銭等を交付して行うため、新会社法では「剰余金の分配」として整理され、株主への配当と同様の財源規制が設けられています。したがって、剰余金の分配可能額を超えて自己株式の取得を行うことはできません。
* 自己株式の取得は、いつでも、何度でも、誰からでも可能になりました。
■ 自己株式取得のメリット
会社が自己株式を取得すると、次のようなメリットがあるといわれています。 ●事業承継者の相続税の納税資金が確保できる。
●余剰資金の株主への還元ができる。 ●株式数が減少するため、1株当たり純利益・純資産などが増加する。
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<13>相続人等に対する売渡請求
相続や合併等で株式を取得した者に対して、会社がその株式を売り渡すように請求できる旨を定款で定めることができます。
これまで、株式を譲渡制限株式とした場合でも、相続や合併等の事由による株式の移転は制限できなかったため、会社にとって好ましくない者に株式が分散することを阻止できませんでした。 新会社法では、定款で定めることにより、会社が相続等で移転した譲渡制限株式について売渡請求を行うことが可能になったため、会社の経営を安定させることができるようになります。
■ 会社が売渡請求を行う際の注意点 この制度を活用するには、次のような注意点があります。
| 請求期限: |
相続等があったことを知った日から1年以内に、株主総会の特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の2/3以上の賛成)を経て請求する必要があります。 |
| 売買価格: |
株式の売買価格は当事者間の協議によりますが、協議が整わない場合、裁判所に売買価格決定の申立てができます。ただし、申立ては売渡請求の日から20日以内に行う必要があります。 |
| 財源規制: |
剰余金分配可能額を超える買取りはできません。 |
* 相続による株式の分散を防ぐことで、より円滑な事業承継が可能になります
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<14>議決権制限株式の活用 1
株式譲渡制限会社においては、これまで発行済株式総数の1/2までとされていた議決権制限株式の発行限度がなくなります。
これまで、株式会社は議決権制限株式を発行済株式総数の1/2までしか発行できないとされていました。 新会社法では、株式譲渡制限会社においては上記の発行限度が撤廃されるため、議決権制限株式の活用の幅がより一層広がります。
■ 種類株式と種類株主総会
株式会社は、剰余金の配当や残余財産の分配、株主総会で議決権を行使できる事項などについて、内容の異なる2種類以上の株式を「種類株式」として発行できることになっています。議決権制限株式もこうした種類株式の一形態です。
種類株式を発行している会社では、次のような行為を行った結果、ある種類株式の株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、全体の株主総会の特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の2/3以上の賛成)の他に、その種類株式の株主で構成される「種類株主総会」の特別決議が必要とされます。 ●株式の種類追加など一定の事項に関する定款変更。
●株主割当による新株発行等。 ●合併等の組織再編。 ●その他(会社法第322条参照)。
ただし、あらかじめ定款で種類株主総会の決議を必要としない旨を定めることも可能です。
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事業承継者以外へ相続する株式は、議決権制限株式なら安心です。
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<15>議決権や配当についての株主ごとの異なる取扱い 株式譲渡制限会社においては、株主総会の特殊決議により、議決権や配当について株主ごとに異なる取扱いを定款に定めることができるようになります。
これまで、株式会社では原則として出資額に応じた議決権・配当の配分を行うことになっていました。一方、有限会社では、定款に定めを置けば議決権の行使や配当などについて社員ごとに異なる取扱いができることとなっていました。 新会社法では、株式譲渡制限会社においては、これまでの有限会社と同様の定めを定款に置くことができるようになります。
■ 株主ごとの異なる取扱いと株主総会の特殊決議
株主ごとの異なる取扱いには、例えば次のようなものがあります。 ●議決権の行使について、株式の数によるのでなく1人1議決権とする。
●一定数以上の株式を有する株主については、議決権を制限する。
●配当や残余財産の分配について、株式の数によらず株主の頭割りで分配する。
定款でこのような「異なる取扱い」を新設したり変更したりすることは、株主の権利に大きな影響を及ぼすことから、株主総会の特殊決議(総株主の半数以上であって、総株主の議決権の3/4以上の賛成)が必要となります。
* 株式譲渡制限会社では、定款で定めれば、 1人1議決権頭割りの配当も可能になります。
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<16>事業承継における新会社法の活用例
<活用例1>相続による株式移転の制限
★新会社法による制度改正 相続や合併といった譲渡以外の事由によって移転した株式について、会社が売渡請求を行うことが可能。
<活用例2>議決権制限株式の活用 ★新会社法による制度改正
株式譲渡制限会社において、議決権制限株式の発行限度を撤廃(これまでは、発行済株式総数の1/2までという制限あり)
<活用例3>議決権について株主ごとの異なる取扱い ★新会社法による制度改正
株式譲渡制限会社では、定款の定めにより議決権について株主ごとに異なる取扱いをすることができる。
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<17>株券の廃止
新会社法では、株券は定款に株券発行の定めがない限り発行されないことになります。
これまで、公開会社などを除くと、多くの株式会社で株券は発行されていませんでした。これらの実態を加味した平成16年商法改正で「株券不発行制度」が導入され、会社は定款で定めれば株券を発行しないことができることとされました。 新会社法では、その趣旨をさらにすすめ、定款に株券発行の定めがない場合には、株券は発行されないことになります。
■ 株券を発行する会社
新会社法施行後に設立される株式会社においては、定款に株券を発行する旨の定めを置かない限り、株券を発行する必要はありません。また、定款に株券を発行する旨の定めがある場合でも、株式譲渡制限会社(Q2参照)は、株主から請求があるまでは株券を発行しないことができます。
既存の株券発行会社が株券不発行会社に移行するためには、定款に株券不発行の定めを置くことが必要です。新会社法の施行により、当然に株券不発行会社に移行するわけではありません。
* 株券が原則不発行になり、発行コストの削減が可能になりました。
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<18>社債の発行 株式会社のみならず、特例有限会社、合名会社、合資会社、合同会社も社債を発行することができるようになります。
これまで有限会社などでは社債の発行ができないとされており、資金調達の手段が限られていました。 新会社法では、広く資金調達の円滑化を図るべく、すべての会社類型で社債を発行できるようになります。
■ すべての会社で社債が発行できる
新会社法では、既存の有限会社が移行する特例有限会社も、社債を発行できるようになります。また、取締役会が設置されていない株式会社はもちろん、合名会社、合資会社、新会社法で新設される合同会社でも社債を発行できるようになります。 このため、株式会社以外の会社でも少人数私募債の活用が可能になるなどのメリットがあります。
* 株式会社以外の会社でも少人数私募債の活用が可能になります
■ 少人数私募債とは
少人数私募債は、少人数の縁故者や取引先を対象として発行する社債のことで、通常の社債に比べて@手続の簡素化、A無担保で発行可能などのメリットがあります。これまで、有限会社などでは少人数私募債を利用できませんでしたが、新会社法ですべての会社に活用の道が開かれました。これにより、少人数私募債は、中小企業の直接金融の手段として、より一層活用の幅が広がります。 なお、少人数私募債を発行するためには、@社債権者が50名未満、A社債権者に適格機関投資家(プロの投資家)がいない、B社債総額を最低券面額で除した数が50未満(例えば、最低券面額が100万円の場合には社債総額が5,000万円未満)、などの発行条件を満たすことが必要です。
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<19>会計参与制度
会計参与は、取締役と共同して計算書類の作成・説明・開示等を行う会社内部の機関で、税理士・公認会計士等の会計専門家からなります。設置は完全に会社の任意であり、強制はありません。
これまで、中小企業における会計監査は主に監査役が担当していましたが、監査役には資格要件がないこともあり、名目的な監査役が設置されているのみの会社が多数存在していました。また、公認会計士・監査法人からなる会計監査人監査は、信頼性は高いもののコストも高いといわれています。このため、中小企業にとって決算書(計算書類)の信頼性の確保が課題とされてきました。 新会社法では、新たに会計参与制度が導入され、主に会計監査人が設置されない中小企業において決算書の信頼性の向上を図ることが期待されています。
■ 信頼性の高い決算書作成のメリット
株式会社が作成する決算書には、貸借対照表や損益計算書等があります。 中小企業が決算書の信頼性を向上させることで、次のようなメリットがあります。 ●自社の経営状態が見極められるので、適切な経営判断を行うことが可能となる。
●金融機関の信頼を得ることができるので、円滑な資金調達が可能となる。
●取引先の信頼を得ることができるので、新たな取引先の開拓が可能となる。
新会社法で導入される会計参与は、このような中小企業のニーズに応え、決算書の信頼性を向上させる役割が期待されています。
| 会計参与の職務 |
会計参与は、株式会社の機関で、取締役と共同で計算書類を作成し、株主の求めがあった場合は株主総会で説明をします。また、会社とは別にその計算書類を5年間保存して株主や会社債権者に開示し、閲覧請求への対応を行います。 |
| 会計参与の資格要件 |
会計参与は誰もがなれるものではなく、会計の専門家である税理士(税理士法人含む)、公認会計士(監査法人含む)のいずれかに限られます。 その会社または子会社の取締役、執行役、監査役、会計監査人等は会計参与にはなれませんが、顧問税理士が会計参与として就任することは可能です。 |
| 会計参与の責任 |
会計参与は、次のとおり、会社や第三者に対して社外取締役と同様の責任を負います。 また、会計参与の氏名または名称は登記事項となります。 |
| 会社に対する責任 |
会計参与が会社に損害を与えた場合は、損害賠償等の責任が生じます。この責任は過失(不注意ミス)があった場合の責任で、株主代表訴訟の対象にもなります。 ただし、損害賠償額については、会計参与が善意(知らない状態)で重過失(重大な不注意ミス)がない場合、株主総会の特別決議により、報酬の2年分までに制限することが可能です。また、責任限定契約を締結しておくこともできます。 |
| 第三者に対する責任 |
会計参与が、職務について悪意(知っている状態)または重過失があったときは、第三者に対して損害賠償責任が生じます。 |
| 設置は完全に会社の任意 |
会計参与の設置は完全に会社の任意であり、機関設計や株式の譲渡制限の有無にかかわらず、強制されることはありません。 なお、大会社(資本金が5億円以上または負債総額が200億円以上の株式会社)以外の株式譲渡制限会社(Q2参照)が取締役会を設置する場合、会計参与を設置することで監査役に代えることができます。 |
* 会計参与の設置により、 ●会社の決算書の信頼性が向上! ●取締役がより業務に専念できる! *
会計参与の設置は完全に会社の任意であり、強制されることはない!
会計参与とは
| 設置 |
任意であるが、設置した場合は、その旨および氏名または名称の登記が必要。 |
| 職務 |
計算書類作成、株主総会における説明、計算書類の保存(5年間)、株主・債権者への開示、その他 |
| 資格 |
税理士(税理士法人を含む)または公認会計士(監査法人を含む)。 |
| 兼任 |
会社または子会社の取締役、執行役、監査役、会計監査人等との兼任不可。
顧問税理士が会計参与となることは可能。 |
| 選任 |
株主総会で選任。 |
| 任期・報酬 |
取締役と同様の規定に従う。 (任期は原則2年、株式譲渡制限会社では定款の定めにより10年まで延長可能) |
| 責任 |
社外取締役と同様の責任を負う。 会社に対する過失責任、株主代表訴訟の対象。 ただし、損害賠償額については、株主総会の決議など一定の要件を満たせば、報酬の2年分までに制限することが可能。 第三者に対する重過失責任。 |
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<20>剰余金の分配
配当は、株主総会の決議によりいつでもできるようになります。 また、剰余金の分配の規定が整理され、統一の財源規制の下に置かれます。
これまで、利益の配当の回数は、通常の配当と中間配当の年2回に限られていましたが、分配可能額の範囲内で配当を行う限り、その回数に制限を設ける合理的理由がないと指摘されていました。 新会社法では、利益の配当について、株主総会の決議によりいつでも行えることになります。また、配当や自己株式の有償取得等、会社財産が株主に払い戻される行為が「剰余金の分配」として整理され、統一の財源規制の下に置かれます。
■ 決算書の種類
「決算」とは、一会計期間における会社の経営成績および期末における財政状態を確認する作業をいい、そのために作成される書類を「決算書」といいます。 新会社法では、株主への配当が株主総会決議でいつでも可能となるため、決算後の利益処分方法を示す「利益処分案(損失処理案)」の作成は求められなくなりますが、代わりに配当の原資となる剰余金の変動等を示すものとして「株主持分変動計算書」の作成が必要となります。また、従来の「営業報告書」は、「事業報告」に名称が変更になります。
■ 決算書(計算書類等)の種類
| これまで |
新会社法 |
備 考 |
| 貸借対照表 |
貸借対照表 |
会社の財政状態(資産・負債・資本)を示す。 |
| 損益計算書 |
損益計算書 |
会社の一会計期間における経営成績を示す。 |
| 営業報告書 |
事業報告 |
説明報告用に、会社の業務・財政状況等の重要事項を記載する。 |
| 利益処分案(損失処理案) |
− |
決算後に確定した利益の処分方法を示す。 |
| − |
株主持分 |
変動計算書 剰余金等の変動状況を示す。 |
| 附属明細書 |
附属明細書 |
決算書の記載を補足する。 |
■ 金銭配当と現物配当
新会社法では、金銭以外の財産で配当を行う手続が明文化されるため、自社商品等で配当を行う、いわゆる「現物配当」が可能となります。 ただし、金銭配当の決議は、株主総会の普通決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の過半数の賛成)で足りますが、現物配当については、原則として株主総会の特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の2/3以上の賛成)が必要とされます。
■ 純資産額制限と分配可能額 新会社法施行後に配当等を行う場合、次の2つの制限があります。
| (1)純資産額制限 |
配当を行う際、純資産額(貸借対照表上の「資本の部」の合計)が300万円未満の場合には、剰余金があっても株主に配当をすることはできません。
(これまで、純資産額が資本金の額(株式会社1,000万円以上、有限会社300万円以上)を下回った場合、利益の配当ができませんでした。新会社法で最低資本金制度が撤廃されることに伴い、上記純資産額制限が設けられます。) |
| (2)分配可能額 |
新会社法では、次のような会社財産が株主に払い戻される行為を「剰余金の分配」として整理し、分配可能額を超える剰余金の分配を禁止する統一の財源規制の下に置いています。 配当、自己株式の有償取得、相続人に対する売渡請求等 (注)
実際の分配可能額については、会社法第446条および第461条第2項で詳細に規定されていますので、そちらをご確認ください。 |
分配可能額を超えて剰余金の分配を行った取締役やその行為に同意した取締役は、その分配額を弁済する責任が生じます。 この弁済責任は過失(不注意ミス)があった場合の責任となり、当該取締役が不注意ミスのなかったことを証明した場合には責任は生じません。ただし、分配可能額を超えた部分の弁済責任については、総株主の同意があっても免除されません。
* 株式会社は、「いつでも」、「何回でも」株主総会の決議によって配当が可能! * 金銭がなくても、他の財産をもって配当できる!
* 純資産額、分配可能額による制限には注意が必要!
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<21>決算公告 すべての機関設計の株式会社で、決算公告が義務付けられます。
これまで、決算公告が義務付けられていたのは株式会社のみであり、有限会社には義務がありませんでした。 新会社法では、有限会社と株式会社が一本化されることに伴い、特例有限会社を除くすべての機関設計の株式会社で決算公告が義務付けられます。株式譲渡制限会社であっても決算公告が義務付けられますので、注意が必要です。
決算公告の方法 主な公告の方法とその内容は次のとおりです。
| 公告の方法 |
公告する決算書 |
| 官報または日刊新聞紙 |
貸借対照表の要旨 |
| インターネットによる公開 |
貸借対照表そのもの(5年間公開)
■具体的な手続は、次のとおり
●取締役会の決議。
●貸借対照表を画像処理してホームページに掲載。 ●アドレスの登記。
|
*
特例有限会社から株式譲渡制限会社に移行する場合、新たに決算公告義務が生じるので注意が必要。
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<22>合併等の対価の柔軟化
会社が合併等を行う場合に、相手会社の株主に対して交付する財産(対価)の種類が柔軟に認められるようになりました。
これまで、会社が吸収合併等を行う場合に、消滅会社(合併によって消滅する会社)等の株主に対して交付される財産(対価)は、原則として存続会社(合併後にも存続する会社)等の株式に限定されていたため、対価を柔軟化すべきとの実務上の要請がありました。 新会社法では、合併等の対価が柔軟化され、存続会社等の株式の他に、現金や親会社の株式等を交付することも認められます。
■ 現金合併や三角合併も可能に
合併等の対価の柔軟化により、消滅会社の株主に金銭のみを交付する合併(現金合併)や、消滅会社の株主に親会社の株式を交付する合併(三角合併)などが可能になります。 現金合併では、組織再編の前後で株主の構成が変化しないため、会社の経営状況を維持したまま組織再編を行うことができます。また、いったん消滅会社の株式を買い取って完全子会社化した後に吸収合併の手続を進めるといった手間・コストをかける必要もありません。
「合併等の対価の柔軟化」に関する規定は、企業が敵対的買収に対する防衛策を準備する期間を設けるため、新会社法の施行日からさらに1年間は施行されないこととなっています。
* 現金合併や三角合併の活用で、組織再編がますます迅速に。 * 本規定の施行は、新会社法の施行からさらに1年後。
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<23>簡易組織再編の範囲拡大
簡易組織再編の規模の要件が5%から20%へ拡大されます。
会社が合併等の組織再編を行う場合には、原則として双方の会社の株主総会決議が必要ですが、一定の要件を満たす場合には、存続会社等の株主総会を不要とし、取締役会決議で足りるとする簡易組織再編制度が設けられています。これまで、簡易組織再編制度を行うためには、合併に際して交付する株式が存続会社等の発行済株式総数の5%以下であることが必要でした。 新会社法では、この比率が20%まで拡大されるなど適用要件が緩和され、より機動的な簡易組織再編が可能となります。
■ 簡易組織再編を行うに当たって 適用要件の緩和
合併等の際には、存続会社等が消滅会社等の株主に対価として交付する株式その他の財産額が存続会社等の純資産額の20%以下である場合に、簡易組織再編制度を利用することができるようになります(改正前は5%以下)。
株式譲渡制限会社における注意点
株式譲渡制限会社(Q2参照)がその株式の発行・移転を伴う組織再編を行う場合は、簡易組織再編制度は利用できません。 *
簡易組織再編の範囲拡大により、機動的な組織再編が可能になりました。
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<24>略式組織再編の導入
略式組織再編とは、支配関係にある会社間での組織再編について、被支配会社での株主総会決議を不要とする制度です。
これまで、組織再編行為については原則として双方の会社の株主総会決議が必要でした。しかし、一方の会社が他方の会社をほぼ完全に支配しているような場合、被支配会社で株主総会を開催しても、支配株主の意向に沿わない決定がなされることはありません。 新会社法では、上記の理由に鑑み、一定の条件の下に被支配会社の株主総会決議を不要とする略式組織再編制度が新設されます。
■ 略式組織再編を行うに当たって
| 議決権の要件 |
親会社(支配会社)が議決権の90%以上を保有している子会社(被支配会社)の組織再編を行う際に、被支配会社での株主総会が不要となる略式組織再編制度を利用することができます。
|
| 株式譲渡制限会社における注意点 |
株式譲渡制限会社(Q2参照)がその株式の発行・移転を伴う組織再編を行う場合は、略式組織再編を利用できません。 |
| 少数株主の保護規定 |
被支配会社の株主は、略式組織再編行為が法令・定款違反、または不当な条件で行われることにより、不利益を受けるおそれがある場合には、その略式組織再編行為の差止め請求を行うことができます。
|
*
略式組織再編の創設により、機動的な組織再編が可能になります
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<25>有限会社制度の廃止 有限会社制度が廃止されます。
特例有限会社制度により、新会社法施行後も有限会社の商号をそのまま使用することが認められます。株式会社の商号を使用する通常の株式会社に移行することももちろん可能です。
新会社法では、会社類型の選択の硬直化・規制の形骸化を踏まえて、有限会社制度が廃止され株式会社制度に一本化されます。 ただし、既存の有限会社については「特例有限会社制度」が適用され、引き続き「有限会社」の商号使用が認められるなど、これまでの規律を維持するための必要な経過措置が設けられます。 また、株式譲渡制限会社へ移行することで、株式会社の商号を使用しながら、これまでの有限会社制度に準じた簡易な規制を選択することも許容されます。
新会社法施行後に会社を設立する場合は、特例有限会社制度は適用されないため、有限会社を新設することはできなくなります。 *
特例有限会社制度により、既存の有限会社の規制が強化されることはありません。 *
いつでも通常の株式会社へ移行することが可能です
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<26>特例有限会社
特例有限会社となるためには特段の手続等は必要なく、存続期間の制限もありません。
新会社法施行後も有限会社の名称と実態を変えないで会社を存続させたいというニーズに配慮して、新会社法では特例有限会社制度が設けられました。 既存の有限会社は、新会社法の施行により自動的に特例有限会社に移行することとなり、そのための定款変更や登記申請等は原則として不要です。また、特例有限会社としての存続期間について、特に制限は定められていません。
■ 特例有限会社の規制
特例有限会社には、基本的にこれまでの有限会社と同じ規制が適用されますが、一部次のような相違点があります。 ●これまで50名とされてきた社員の員数制限が廃止。 ●最低資本金制度も撤廃。
●新株予約権や社債の発行が可能に。
特例有限会社の法的位置付け
特例有限会社は、会社法上は株式会社となり、経過措置で「有限会社」の商号の継続使用や従前の規律の維持が認められるという位置付けになります。新会社法施行後は、「有限会社の定款」は「株式会社の定款」に、「社員」は「株主」に、「持分や出資口数」は「株式や株式数」と読み替えられることになります。
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<27>通常の株式会社への移行
特例有限会社から通常の株式会社に移行するには、定款における株式会社への商号変更、特例有限会社の解散登記および株式会社の設立登記を行う必要があります。
新会社法では、株式譲渡制限会社において、これまでの有限会社制度に準じた簡易な規制を選択することが可能になっています。新会社法施行後、特例有限会社は次の手続によって、いつでも通常の株式会社へと移行することができます
■ 特例有限会社から通常の株式会社への移行手続 ●特例有限会社から通常の株式会社(注)へ移行するには、次の手続が必要になります。
●商号を「株式会社」の文字を用いたものに変更する旨の定款変更の株主総会決議
●特例有限会社についての解散の登記および商号変更後の株式会社についての設立の登記 (注)
特例有限会社は、会社法上は株式会社の一種となるので、ここでは特例有限会社以外の株式会社を「通常の株式会社」と呼んでいます。上記の手続は組織変更(会社類型の変更)ではなく、商号変更となります。
* 特例有限会社から通常の株式会社への移行は、商号変更と 登記だけで簡単にできます
■ 通常の株式会社への移行コスト
上記手続を行うに当たって必要となる登録免許税は次のとおりです。 解散の登記:3万円、設立の登記:資本金額の1,000分の1.5(税額が3万円未満のときは3万円)
■株式会社制度と有限会社制度の統合
|
これまでの株式会社 |
これまでの 有限会社 |
| 根拠法令 |
商法第2編、商法特例法 |
有限会社法 |
| 最低資本金 |
1,000万円 |
300万円 |
| 機 関 |
取締役会 |
必ず設置 |
設置できない |
| 監査役 |
必ず設置 |
任意で設置 |
| 取締役の数 |
3人以上 |
1人以上 |
| 取締役・監査役の任期 |
取締役2年 監査役4年 |
制限なし |
| その他 |
−
|
− |
| そ の 他 |
社債・新株予約権 |
発行可能 |
発行不可能 |
| 決算公告の義務 |
あり |
なし |
| 会計監査人制度 |
あり 大会社(※2) 必ず設置 中会社(※3) 任意で設置 |
なし |
| 株主ごとの異なる取扱いの定め |
定款に置けない |
定款に置くことが可能 |
|
 |
新会社法での 「株式会社」 |
| 新会社法 |
| なし |
| 任意で設置(※1) |
取締役会を、 置かない場合は1人以上(※1) 置く場合は3人以上 |
取締役 原則2年 監査役 原則4年 ただし、定款で定めればそれぞれ最大10年まで延長可能(※1) |
| 会計参与の設置が可能 |
発行可能 (特例有限会社も発行可能) |
| あり |
あり 大会社(※2) 必ず設置 それ以外の会社 任意で設置 |
| 定款に置くことが可能(※1) |
|
(※1) 株式譲渡制限会社の場合 (※2) 資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社 (※3)
資本金1億円超5億円未満かつ負債総額200億円未満の株式会社
■ 特例有限会社と株式譲渡制限会社は、それぞれ次のような特徴があります。
| 特例有限会社のまま存続するメリット |
取締役、監査役の任期に制限がない |
| 決算公告義務がない |
| 慣れ親しんだ商号を引き続き使用でき、商号変更に伴うコスト(名刺・看板・ハンコの変更費用等)も不要。 |
| 株式譲渡制限会社へ移行するメリット |
対外的信頼性の向上が期待できる。 |
| 会計参与、会計監査人を設置できる。 |
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<28>合名会社・合資会社から株式会社への組織変更
合名会社・合資会社から株式会社へ組織変更することができるようになります。
会社類型を変更することを「組織変更」といいます。これまでは、株式会社・有限会社間の組織変更、合名会社・合資会社間の組織変更のみが認められ、合名会社・合資会社と株式会社間の組織変更は認められていませんでした。 新会社法では、合名会社、合資会社および合同会社(Q33参照)と株式会社間の組織変更が認められ、必要に応じて簡単に株式会社へ移行することができるようになります。
■ 株式会社への移行が簡単になりました
合名会社・合資会社から株式会社への組織変更が認められることで、次のようなメリットが考えられます。
*別途株式会社を設立して合併や営業譲渡を行う必要がない。 *業の許認可(酒類販売等)の再取得などの手間とコストが不要。
■ 組織変更の具体的な手続は次のとおりです。 組織変更計画の作成(定款で定める事項の決定、効力発生日の決定等)。
組織変更計画についての総社員の同意。 官報公告・債権者への催告を行い、異議を申し立てた債権者への弁済措置。
* 合名会社や合資会社から株式会社への移行コストが軽減されます
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<29>一人合名会社、法人無限責任社員
合名会社・合資会社の社員の規定は、社員1名のみの合名会社の設立・存続ができるようになるほか、法人が無限責任社員になることが認められます。
合名会社は無限責任社員のみからなる会社であり、合資会社は無限責任社員と有限責任社員からなる会社です。これまで、合名会社の社員は2名以上必要とされており、また、法人が他の法人の無限責任社員となることが禁じられていました。 新会社法では、社員1名のみの合名会社の設立・存続が認められ、法人が合名・合資会社の無限責任社員となることも認められるので、合名・合資会社の設立・存続が容易になります。
■ 一人合名会社
これまで、合名会社の社員は2名以上必要とされており、社員が1名になることは解散事由とされていました。このため、社員2名の合名会社において、そのうちの1名が退社・死亡等した場合、代わりの無限責任社員をすぐに補充できなければ会社を解散しなければならないという問題点がありました。新会社法における改正は、このような問題点に対応するものです。
■ 法人無限責任社員
法人が合資会社の無限責任社員である場合、当該法人は自然人を職務執行者として選任することになります。また、合資会社では有限責任社員も業務執行権限や代表権限を有することが可能になるなど、社員の責任・権限の構成が柔軟に行えるようになります。
* 一人合名会社、法人無限責任社員の導入で、合名・合資会社 の設立・存続が容易になりました
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<30>会社設立手続の簡素化 会社の設立手続が簡素化されます。
最低資本金制度の撤廃、類似商号規制の廃止、払込金保管証明制度の一部廃止等を含め、設立手続の簡素化が図られています。
近年の日本では、廃業率が開業率を上回る状態が続いており、新たな事業の創出・雇用の受け皿の確保によって経済活動の活性化を図るため、創業の支援が必要とされていました。 新会社法では、上記のような観点から、会社の設立手続が大幅に見直し・簡素化されます。
■ 会社設立手続はこう変わる 新会社法で簡素化された主な手続には、次のようなものがあります。
| 最低資本金制度の撤廃 |
株式会社1,000万円、有限会社300万円の最低資本金制度は、創業促進の観点から撤廃されます。
|
| 類似商号規制の廃止 |
商業登記手続のうち、企業活動の広範化や登記手続の簡素化の要請により類似商号規制が廃止され、同時に類似の判断基準になっていた「会社の目的」についても記載基準が緩和されます。 |
| 払込金保管証明制度の一部廃止 |
発起設立により会社を設立する場合、資本金の払込みについては、銀行等による保管証明書を不要とし、代わりに残高証明によれば足りるものとされます。
手続の簡素化に伴い、会社設立費用も大幅に削減されます |
* 会社設立手続が簡素化され、設立費用も大幅に軽減されます
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<31>最低資本金制度の撤廃
最低資本金制度が撤廃され、資本金が1円でも会社を設立することができます。
これまで、債権者保護等の観点から、最低資本金制度(株式会社1,000万円、有限会社300万円)が設けられていましたが、同制度が円滑な創業の障害となっているとの指摘がなされていました。 新会社法では、最低資本金制度が撤廃されるため、資本金1円でも会社を設立することができます。
■ 最低資本金制度撤廃の背景 最低資本金制度の撤廃には、次のような背景があります。
開廃業率の逆転による創業円滑化の必要性。 ネットビジネス等、少額資産で営業可能な業種の拡大。
債権者保護のためには、設立時の出資金である資本金の額よりも、会社の財産状況の適切な開 示、会社財産の適切な留保等の方が重要であること。
取引先の信用判断においても、「過去の実績」や「業界の評判」が重視される一方で、「資本金の 大小」を重視する意見は少ないこと(「お役立ち情報」参照)。
「最低資本金規制特例制度」(いわゆる「1円会社」制度)が、新事業創出に一定の効果があったこと。
上記の「最低資本金規制特例制度」は、事業を営んでいない個人が、創業者である旨の経済産業大臣の確認を受けた場合、創業後5年間は最低資本金規制の適用を猶予されるというもので、「新事業創出促進法」の改正で導入されました(平成17年4月からは「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」が根拠法令)。
平成15年2月の制度実施以来、本特例制度を利用して設立された会社(いわゆる「確認会社」)は27,218社、うち資本金1円の会社は1,259社に上っています(平成17年8月5日現在)。
新会社法の最低資本金制度の撤廃に伴い、上記「最低資本金規制特例制度」も廃止されます
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<32>債権者保護の手段
新会社法では、会社の財産状況の適切な開示のため、次のような措置が講じられています。 * 会計参与制度の導入。 *
すべての機関設計の株式会社に対する決算公告の義務付け。 会社の実質的な資本充実を担保するため、次のような行為が禁止されています。
* 純資産額が300万円を下回る場合の剰余金の配当。 * 分配可能額を超えた配当。
*
株式会社の設立は、資本金1円でもOK!
出典:中小企業経営者アンケート(平成15年中小企業庁実施、複数回答)
上記アンケートにおいて、取引先の信用判断に際し重視されるのは「業界の評判」「過去の実績」「経営者個人の信用」等であり、「資本金の大小」を重視するとした回答はわずか(3%)となっています。
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<33>既存の「確認会社」(1円会社)の扱い
最低資本金規制特例制度を利用した既存の「確認会社」については、新会社法施行後、5年以内に資本金を積み増す必要はなく、毎年行っていた経済産業大臣への書類提出も不要となります。
これまで、最低資本金規制特例制度によって経済産業大臣の確認を受け、最低資本金規制を免除された「確認会社」は、5年以内に最低資本金(株式会社1,000万円、有限会社300万円)以上の増資を行うことや、毎年経済産業大臣に計算書類を提出することなどが必要でした。 新会社法では、最低資本金制度の撤廃に伴い本特例制度も廃止され、「確認会社」に課されていた義務もなくなります。
■ 「確認会社」は定款変更が必要 最低資本金規制特例制度によって設立された「確認会社」は、新会社法の施行により、
5年以内に最低資本金以上の増資を行わなくても解散不要。 毎年経済産業大臣に行っていた計算書類提出不要。
となるなど、これまでの義務がなくなります。
「確認会社」の定款には、「設立から5年以内に資本金を1,000万円(有限会社は300万円)に増資できなかった場合は解散する」旨の定めが置かれているので、新会社法施行後にこの定めを削除する定款変更を行い、登記することが必要になります。
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<34>既存会社の資本金の減少
最低資本金制度が撤廃されるので、既存の株式会社・有限会社も資本金を減少させることが可能となります。
これまで、株式会社1,000万円、有限会社300万円の最低資本金制度がありました。 新会社法では、最低資本金制度が撤廃されますので、既存の会社も設立時の資本金にとらわれずに無制限に資本金を減少させることが可能となります。
■ 減資の手続
新会社法では、従来の最低資本金制度が撤廃されます。これは、新設される株式会社だけに適用されるものではなく、新会社法施行前に設立された株式会社・有限会社も、減資の手続により無制限に資本金を減少させることが可能です。
資本金の額の減少は、原則として株主総会の特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつその議決権の2/3以上の賛成)を必要としますが、次の要件に該当する場合には、普通決議によることができます。
* 定時株主総会の決議であること。 * 減資額がすべて欠損てん補にあてられること(注)。 (注)
欠損てん補とは、資本金や準備金の減少により、欠損金(税法上の所得金額の計算上、損金が益金を超える部分の金額)を充当することです。資本金の減少により、剰余金がプラスになり、分配可能額が生じるような場合は、原則どおり特別決議が必要となります。
* 既存の株式会社・有限会社も、最低資本金制度の撤廃で無制限に減資することが可能になります
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<35>商業登記制度の柔軟化
商業登記制度は、類似商号規制が廃止され、「目的」についての柔軟な記載ができるようになります。
これまで、商業登記制度については、紛らわしい商号(会社の名称)を排斥するため、同一市町村において他人が登記した商号について、同種の営業について登記することが禁止されていました(類似商号規制)。しかし、この規制は、企業活動の広域化につれ、その合理性が低下していると指摘されていました。また、「同種の営業」を登記事項である「会社の目的」で判断していたため、登記実務において語句の使用が厳格で審査に時間と手間がかかると指摘されていました。 新会社法では、類似商号規制を廃止するとともに、「会社の目的」の柔軟な記載が認められます。
不正目的の商号使用の防止 新会社法施行後は、次のような方法により不正目的の商号使用の防止を図ることとなります。 *
同一住所、同一商号の登記の禁止(目的の如何を問わない)。 * 新会社法・不正競争防止法の規定により、不正目的の商号使用の差止め、損害賠償請求が可能。
* 商業登記制度の柔軟化により、類似商号調査などの会社設立コストが大幅に軽減
これまで認められないとされた商業登記の例
類似商号とされた例 * 株式会社と有限会社(株式会社高橋商事/有限会社高橋商事) *
発音上の類似(はり重/播重)、文字上の類似(大丸/犬丸)、観念上の類似(平和堂/和平堂)
「会社の目的」の厳格な記載が求められた例 *
具体性に欠けるとされたもの(商業/物品販売業/雑貨の販売) * 新しい単語が認められなかったもの(十数年前の「コンビニエンスストア」
など)
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<36>払込金保管証明制度の一部廃止
払込金保管証明制度については、発起設立により会社を設立する場合は、「払込金保管証明」は必要なく、銀行の残高証明で足りることとなります。
これまで、会社設立の際には、銀行または信託会社が務める払込取扱金融機関が、設立登記前に、発起人または株式申込人から金銭出資の払込みがなされたことを証明する「払込金保管証明」が必要でしたが、@金融機関が払込取扱機関となることを引き受けてくれない、A手続に時間がかかる(一般的に数週間程度)、B費用がかかる(一般的に2万5千円程度)、C設立登記が完了するまで払込金を引き出せない、などの問題がありました。 新会社法では、発起設立の場合には「払込金保管証明」を不要とし、残高証明で足りることとなります。
発起設立と募集設立 株式会社の設立には、次の2通りの方法があります(実務上は発起設立の方法が多い)。 発起設立:
設立に際して発行する株式の全部を発起人が引き受ける方法。 募集設立:
発起人は設立に際して発行する株式の一部だけを引き受け、残りは他の株主を募集する方法。
新会社法では、発起設立については「払込金保管証明」が不要となり、「残高証明」で足りることとなります。また、一度払込みがなされれば、設立登記前でも払込金の引出しができるようになります。
募集設立の場合は、株式申込人の保護のため、これまでどおり「払込金保管証明」が必要とされます。
*
発起設立の場合の資本金払込みの証明は残高証明でよいため、設立がスピーディーに。 *
一度払込みがあれば、設立登記前でも出資金の引出し・活用が可能に。
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<37>現物出資・事後設立の簡素化
現物出資する財産額が500万円以下の場合は、検査役の調査が不要となります。また、事後設立の場合の検査役調査も廃止されます。
これまで、会社設立時に現物出資・財産引受けを行う場合や、事後設立を行う場合には、資産額の評価について客観性を保つため、原則として検査役(「お役立ち情報」参照)の調査が必要とされていました。しかし、検査役の調査には費用と手間がかかるため、中小企業には負担であるとの指摘がなされていました。 新会社法では、現物出資・財産引受けを行う際に検査役の調査が不要とされる範囲が拡大され、また事後設立における検査役の調査も不要となるため、これらの制度がスムーズに利用できるようになります。
■ 検査役の調査がいらない現物出資・財産引受け
会社を設立する際には、原則として金銭による出資が行われますが、その例外として現物出資と財産引受けがあります。 「現物出資」とは、動産、不動産、有価証券など、金銭以外の財産をもって行う出資のことです。 「財産引受け」とは、会社の設立を条件として、特定の財産を会社が譲り受ける旨をあらかじめ約しておく契約のことです。 現物出資や財産引受けの制度を利用することにより、会社に必要とされる財産を充実させることができますが、出資した財産を適正に評価するため、一定の場合を除き検査役の調査が必要とされます。
新会社法では、検査役の調査が不要な現物出資・財産引受けの範囲が次のとおり拡大されます。
| |
| |
これまで
|
| 財産の総額 |
財産の総額が資本金の1/5以下かつ500万円以下 |
| 有価証券 |
取引所の相場のある有価証券 |
| 専門家の証明 |
財産の価額が相当である旨の、弁護士等専門家の証明 |
|
 |
|
新会社法
|
財産の総額が500万円以下 (資本金の1/5を超えてもよい) |
市場価格のある有価証券 (「店頭登録有価証券」などが追加) |
財産の価額が相当である旨の、弁護士等専門家の証明(変更なし)
|
|
| |
(※)上記のいずれかの条件を満たせば、検査役の調査が不要 |
■ 事後設立の検査役の調査が不要に
「事後設立」とは、設立後2年以内の会社が、設立前より存在する営業用の財産を、継続して使用するために譲り受ける契約を締結することをいいます。 これまで、事後設立を行う際には原則として検査役の調査が必要とされていましたが、新会社法では、当該調査が廃止されることとなります。 このため、事後設立をより機動的に行うことができるようになります。
* 現物出資の額が500万円以下なら、資本金の額にかかわらず 検査役調査が不要に。 *
検査役調査が不要になり、事後設立がより機動的になりました。
■ 検査役とは
検査役は、会社の常設の機関ではなく、必要に応じて選任される機です。株式株式会社の設立手続、現物出資や財産引受け、株主総会招集手続・
決議方法、業務財産の状況に関する調査等を職務としています。検査役には、発起人、取締役、少数株主、清算人、監査役、債権者等の申立てや職権によって裁判所で選任されるものと、創立総会や株主総会によって選任されるものの2通りがあります
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<38>合同会社(日本版LLC)の新設
合同会社(日本版LLC)とは、有限責任社員のみで構成され、かつ組織の内部自治を認める新たな会社類型で、LLPとともに、創業やジョイントベンチャーなどでの活用が期待されています。
これまでの会社類型は、大きく分けると次の2タイプしかなく、選択が硬直化していました。 *「有限責任社員」のみで構成され、「組織の規律が厳格」な株式会社・有限会社 *「無限責任社員」が存在し、「組織の内部自治」が認められる合名会社・合資会社 新会社法では、「有限責任社員」のみで構成され、「組織の内部自治」が認められる新たな会社類型として、合同会社(アメリカのLLC(Limited(リミテッド)
Liability(ライアビリティ)
Company(カンパニー))を参考にしているため、「日本版LLC」とも呼ばれる)が新設され、創業やジョイントベンチャーなどでの活用が期待されています。
■ 合同会社の特徴 合同会社は、次のような特徴を持っています。
| 有限責任制 |
合名会社や合資会社と違い、社員(出資者)は出資額の範囲までしか責任を負いません。 |
| 内部自治原則 |
株式会社と違い、利益や権限の配分が出資金額の比率に拘束されません。
また、取締役会や監査役のような機関を設置する必要がありません。 |
| 社員数 |
社員1名のみの合同会社の設立・存続が認められます。 |
| 意思決定 |
社員の入社、持分の譲渡、会社成立後の定款変更は、原則として社員全員の同意によります。 |
| 業務執行 |
各社員が原則として業務執行権限を有しますが、定款で一部の社員のみを業務執行社員と定めることも可能です。
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| 決算書の作成 |
貸借対照表、損益計算書、社員持分変動計算書の作成が必要です。 |
■ LLP制度も導入される
「日本版LLC」である合同会社と並行して、「LLP制度」も新たに導入されています。 LLP(Limited(リミテッド)
Liability(ライアビリティ)
Partnership(パートナーシップ))は、「有限責任事業組合」という新たな事業体です。 合同会社とLLPの共通点としては、@有限責任制、A内部自治原則、などが挙げられます。 また、相違点としては、合同会社が会社の一類型であるのに対し、LLPは民法組合の特例という位置付けのため法人格を有さないという点が挙げられます(このため、合同会社から株式会社への組織変更は可能ですが、法人格を有さないLLPから株式会社への組織変更はできません。)。 さらに、LLPは、課税上は事業体に課税されないで出資者に直接課税される構成員課税の適用を受けます。 なお、LLPを規定する法律は、新会社法ではなく「有限責任事業組合契約に関する法律」で、平成17年8月1日から施行されています。

■ 合同会社・LLPの形態での創業
合同会社およびLLPによる創業においては、最低資本金規制はなく、定款の認証や「払込金保管証明」も必要ありません。最低限必要なコストとしては、登録免許税(合同会社・LLPともに最低6万円)等があります。 株式会社の設立と比較すると、少額の費用(株式会社の設立には最低約24万円程度かかる))、簡便な手続で創業が行えることになります。
■ 合同会社・LLPの活用例 合同会社およびLLPの活用例としては、次のようなものが考えられます。
高度サービス産業における専門人材の集合体 (例) 弁護士・公認会計士・税理士・行政書士などが集まり、経営コンサルタントの共同事業を展開。
(例) プログラマー、デザイナー、セキュリティ、営業の専門人材によるソフトウェアの共同開発販売。 ジョイントベンチャー (例)
大手機械メーカーと音声の認識・センサー技術を有するベンチャー企業による次世代家庭ロボットの共同開発・製造。 中小企業の連携 (例)
技術力と目利き能力を持つ企業を中心に個性的な技術を持つ中小企業が集まり、新製品の開発、大企業への提案型の事業を展開。 産学連携 (例)
製薬会社とゲノム解析を専門とする大学教授による新薬の共同開発事業。
合同会社およびLLPには内部自治原則が適用されるため、専門性や技術力に優れ、貢献度の大きい企業・個人に出資比率以上の議決権・利益配分を行うことでインセンティブを高めることができます。 また、組織設計が柔軟にできるため、機動的な事業展開ができます。
* 合同会社(日本版LLC)は、「有限責任」「内部自治」の新しい会社類型です *
合同会社やLLPは、創業のコストも少額で済む。 *
合同会社やLLPは、専門人材の集合体、ジョイントベンチャー、中小企業の連携などに活用できる。
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参考文献:よくわかる中小企業のための新会社法33問33答 中小企業庁版
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